会社概要及び株主の状況(2026年8月末 現在)

市川東太郎氏(以下、市川):セントラル警備保障代表取締役執行役員社長の市川です。2027年2月期中間期決算についてご説明します。
まず、会社概要および株主の状況です。スライド左側の会社概要に記載している従業員数は、連結で7,000名を超え、単体でも4,000名を超えています。また、スライド右側の所有者別株式分布状況を見ると、下から2段目の赤色で示している「外国人法人等」の割合が若干増加している点が変化として挙げられます。
中間期 連結業績の状況(前年同期比)

中間期の連結業績のハイライトをご説明します。前年同期比で、売上高は増収、営業利益および経常利益は増益となった一方、親会社株主に帰属する純利益は減益となりました。
中身については、まず売上高の増減の項目に米印1と記載しています。表の下をご覧いただくと、常駐警備として新たに「OIMACHI TRACKS」の仕事が始まったことに加え、「高輪ゲートウェイシティ」の仕事が通年で寄与したことが記載されています。また、これらも含め、機器工事案件が非常に好調だったことにより増収となっています。
次に、親会社株主に帰属する純利益の増減の項目に米印2と記載しています。こちらが減益となった要因として、訴訟関連の損失が発生し、受取保険金があったものの、契約が解約となったことが挙げられます。こちらが特別損益に計上され、結果として純利益は減益となりました。
スライド下段に示している中間の連結経営業績の推移については、売上高が増加し、営業利益率も上昇している状況です。
連結業績予想(2026年4月13日付公表)と実績対比(公表比)

公表値との対比です。売上高、営業利益、経常利益はいずれも増加していますが、純利益は減少しています。それぞれに注釈を付しており、その内容はスライド下部に記載しています。
売上高は公表値を上回り、先ほどお伝えした要因が大きく影響していると考えています。営業利益、経常利益は、契約解約損に伴うものについて当初は営業費用と見込んでいたものを特別損失として計上したため、増加しています。
一方で、純利益が減少した理由は、先ほどお伝えした京三製作所関連の損害賠償訴訟に伴う和解金を支払ったことが挙げられます。保険金の受け取りもありましたが、全体として和解金の支払い額が上回り、この和解金は業績予想には含まれていなかったため、純利益の減少につながりました。
JR東日本及びグループ向け売上の推移

東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)およびグループ会社向け売上の推移についてご説明します。JR東日本が当社の株式を保有しており、全体の売上に占める割合が比較的大きいため、このスライドで示しています。上段の表に示しているとおり、全体の売上に占める割合は、ここ数年横ばいで推移しています。
下段のグラフはJR東日本グループ向けの売上推移を示したもので、多少の変化はあるものの、比率としては27パーセントから28パーセントで推移しており、今期も同様の水準で推移すると見込んでいます。
セグメント情報(前年同期比)

セグメント別にご覧いただくと、全セグメントにて前年同期比で増加しています。常駐警備、機械警備、工事・機器販売については、それぞれ注釈で内容を補足しています。
常駐警備は、昨年に大阪・関西万博があり、こちらが終了したにもかかわらず、新規案件や「高輪ゲートウェイシティ」が大きく寄与したことで、大阪・関西万博を上回る数字を記録しました。
機械警備は、昨年に日本連合警備という機械警備を行う会社をM&Aしました。その通年化で、その分増加している点が大きな要因です。
機器工事は、大口案件が減少しています。これは「高輪ゲートウェイシティ」に関連する部分が主な要因ですが、一方で入退室管理システムや防犯・防災カメラシステムなどが非常に好調だったことにより、前年同期比で増加しています。
純利益トピックス

純利益のトピックスについて、グラフでご説明します。上半期の動き、下半期の計画の主な要因を示しています。スライド左側から、公表した数値に対して上振れた分は、我々の努力による成果です。その他には、新たに始めた要素が含まれています。
解約損は、営業費用に見込んでいたものを特別損失として計上したことで、いわば「行ってこい」の部分です。訴訟関連は、受取保険金もありましたが、和解金や弁護士費用がそれを上回る額となりました。結果として、実績は公表値よりもやや下がりました。
スライド右側をご覧ください。下半期に向けて修正を行いました。要素として保険金を挙げていますが、これは先ほどの訴訟関連で発生した弁護士費用の一部に対し、受取保険金が見込まれるため計上しています。
マイナス要素は経費増、人件費があります。社会情勢を踏まえて当社でも人件費の引き上げを実施しており、さらに間接費なども上昇しているため、経費が予想以上に増加することを見込んでいます。
中期経営計画の進捗

現在、中期経営計画「想い2030」を進めており、こちらのスライドは、以前の「Creative2025」から「想い2030」にかけての推移を示しています。
売上は着実に伸びてきています。一方、今期の利益率はやや下がる見込みです。人件費や諸経費の上昇に伴い、お客さまに価格転嫁をお願いしている状況ですが、その成果がまだ十分に現れていないと考えています。ただし、現在お客さまとの交渉は深まっており、徐々に改善していくと見込んでいます。
セグメント構成比の推移

売上のセグメント構成比の推移についてご説明します。半分以上の比率を常駐警備が占めています。機械警備および機器工事も着実な成長を目指し、取り組みを進めています。
スライドの下部に記載している取り組みの方針についてご説明します。まず、収益性が高いのは機械警備と機器工事であるため、これらの単価を引き上げることがポイントです。また、パイを広げ、さらに拡大していくことを意識して取り組んでいます。
常駐警備は比率が非常に大きく、利益率を上げることが重要です。そのため値増し、つまり値上げを行います。人件費が上昇している中、その分を適切に価格に反映することが必要です。また、人だけで行っている警備を、人に加えて機械やシステムを活用するかたちへ構造を変えることで利益率を向上させる考えです。
梯×エリアマネジメントの展開

中間期における具体的な実績や、今後の取り組みについてご説明します。まず、「梯(かけはし)」とエリアマネジメントの展開についてです。「OIMACHI TRACKS」というJR東日本が開発しているエリアにおいて、セキュリティプラットフォーム「梯」を導入しました。
これにより、街全体を警備していきます。スライド左部に掲載しているとおり、「この街には、CSPがいる」ということで取り組んでいます。
スライド下部に記載しているとおり、セキュリティプラットフォーム「梯」とエリアマネジメントが実現するのは、情報の迅速な把握と解析です。セキュリティプラットフォームには、さまざまなカメラやセンサ、警備員の情報を統合しています。
事案が発生した際にはその情報をいち早く把握・解析し、危険がある場合には近くの警備員に自動で指示し、現場に派遣します。警備員はタブレットを通じて指示を受け、状況を把握しながら現地へ向かい、迅速に初動対応を行います。
このように、安全・安心・快適レベルの高い街を実現するのが、セキュリティプラットフォーム「梯」とエリアマネジメントを掛け合わせた当社の警備サービスです。
スライド右側に3つの図を示しています。下段に示している「大規模街区」は、「高輪ゲートウェイシティ」「OIMACHI TRACKS」を意識したシチュエーションです。
中段に示している「既存ビル群・再開発エリア」では、「『梯』×エリアマネジメント」で培ったノウハウを既存の部分にも取り入れる取り組みをすでに開始しています。新宿や梅田などのエリアで、その実装準備を進めているところです。
上段に示している「単独施設と周辺エリア」については、「梯」のシステムはもともと大規模を意識して開発してきたものですが、コンパクトな場所であってもノウハウを活用できると考えています。そのため、今後その展開を図っていきたいと考えています。
中間期:主要落札案件

中間期に入札関係で落札した主な案件として、スライドには2つ掲げています。1つ目は、カウンタードローン案件です。セグメントは工事・機器販売に含まれます。カウンタードローンは、昨今さまざまなところでご要望いただいており、当社ではドローン活用推進部を社内に設置し、数年前から準備を進めてきた案件です。
今回は相手先のこともあり、具体的な内容は申し上げられませんが、例えば電力関連や空港関連といった重要な設備向けのカウンタードローンです。非常に力を入れて取り組んでおり、某案件について無事に落札できたところです。
これからそのようなニーズは今後さらに増加していくだろうと考えています。そのため、引き続き落札を目指し、お客さまに「安全・安心・快適」を提供できるよう取り組みたいと思っています。
2つ目は、スマートシティ案件です。これは「高輪ゲートウェイシティ」および「OIMACHI TRACKS」で培ったノウハウを活用できる案件です。セグメントは、常駐警備と機械警備をミックスした手法のため、これらのカテゴリに割り振って計上することとなっていますが、サービスは一体的に提供します。
スライドに「まちの構成」と記載していますが、病院、学校、住宅、オフィス、商業施設、研究施設、公園など、街全体のセキュリティを提供します。こうした案件が今後増えていくと考えられるため、一つひとつ貢献できるよう取り組んでいきたいと思います。
警備料金の見直し

警備料金の見直しについてです。物価上昇に負けない適切な価格転嫁は必要不可欠です。これがスライド左側に示している「警備料金の見直し(価格転嫁)」の部分になります。お客さまとお話しする中で、一定程度の理解は得られています。
スライドに示しているとおり、消費者物価指数はかなりの勢いで上昇しています。一方で、警備料金はあまり上げられてこなかったという現状があります。そのため、お客さまにきちんとご理解いただき、世の中の動きに合わせたかたちで適切に料金をいただけるよう取り組んでいます。
常駐警備および機械警備において、しっかりと対応していくために、社内で考え方を整理し、具体的にどのようなアクションを起こすかを決定して取り組みを進めています。
もう1点は、「人+機械&システム+AI」の最適な組み合わせで利益率を向上させていきます。これは、最適化による利益率向上を目指し、当社の努力で利益率を上げる取り組みです。
最適化とは何かについて、スライドにイメージを記載しています。現在、10人必要な警備サービスを、先ほどの機械やシステムを使い、さらにAIを活用することで、より効果的かつ効率的な警備が可能となります。
さらに、警備のレベルも現状より少し向上します。これは、機械やシステム、AIを利用することで、人間が行う以上に高度な業務遂行が可能となる時代が到来しているためです。こうした取り組みの結果、必要な人員が10人から5人に削減され、残りの部分を機械やシステムが補うかたちとなります。
トータルコストは変わりません。10人から5人に減らすことで抑えられる5人分の人件費を原資とし、それを機械やシステムへ置き換えるという考え方です。
コスト削減により生じた原資を当社の待遇改善や未来投資、株主さまへの還元に役立てるとともに、お客さまにも還元することで、当社に関わるすべての方々がそのメリットを享受できるよう取り組んでいくという考え方のもと、最適化を通じた利益率向上に努めています。
モバイル型 非常通報システム「エマージェ」

具体的な商材のご紹介です。モバイル型非常通報システム「エマージェ」を提供しています。これまでも「エマージェ」という製品はありましたが、今回、その製品の機能を向上させています。
キャッチフレーズは「緊急時に『つながる安心・安全』(いつでもどこでもCSPへつながります)」です。2026年7月1日に新しい機能を搭載した「エマージェ」の運用を開始しました。
もともとは、スライドに掲載している写真にある黄色いボタンを押すと、当社の警備員の指令室に接続され、指令員が実際に応答して状況を把握します。そして、必要に応じて警察への連絡や、代わりに何かを伝えるなど、利用者の不安をその場ですぐに解消することを目的とした商材です。
スライドに「今後さらに活用が広がる想定シーン」を記載しています。このような製品を提供し、お客さまとお話しする中で、「このようなところでも使えないか?」というお声をいただいています。そのため、記載のシーンでも活用できるようにするということです。
カスハラ対策として、この製品を活用して警備会社がきちんと対応していることが伝わることで、抑止力や問題の早期解決につながります。また、保育園の散歩では、何か起きた際にすぐに知らせて対応したい時に活用していただけます。
1人作業の場合、何かあった際にどこにも連絡できない時、ボタンを押せばすぐに対応できます。状況を報告し、迅速に対応することが可能です。訪問販売、介護などの場面でも、1人で作業している場合や対応している時、何かあった際の強力な味方となります。
このような使い方を強く提案していく方針です。既存商材をさらに機能アップさせ、お客さまに提案を広げていきます。
CSP Smart Lock Solution

CSP Smart Lock Solutionについてです。鍵の管理は世の中で大きな問題となっており、多くの事業者から管理の難しさについてのお声をいただいていました。そこで、1つの解決策としてスマート南京錠を提供することにしました。
世の中には多くのスマート南京錠が存在しますが、当社では、業務で多くの鍵を使用する現場における手間や対応の煩雑さを、全体のシステムとして解消する商材に仕上げています。
スライドに「多数利用者・多数拠点を抱える組織の『鍵管理業務』を劇的に改善」と記載しているとおり、そのようなお客さまをまずターゲットとして、この商材を広げていくことを考えています。すでに引き合いが来ているため、まずは引き合いが来ているところから始めて、その効果を実感していただき、さらなる展開を図っていきます。
害獣忌避

「害獣王」「ポータブル害獣王」についてです。現在、熊の問題が大きな話題となっています。もともとはシカやイノシシを対象に商材を開発していましたが、熊なども対象として、この商材を設置することで動物が寄り付かなくなり、音や光を使って動物を追い払うことができます。
スライド左側に示している据付タイプはこれまでも提供していましたが、今回リニューアルしました。間欠動作でも運用可能な仕様に変更しています。このように機能を追加し、引き続き提供していく予定です。
スライド右側に示している「ポータブル害獣王」は携帯タイプで、現在開発中です。研究開発の発表会でも発表し、お客さまからは非常に好評を得ています。携帯可能な軽量で、モバイルバッテリーで動作する点が特徴です。臨時的にどこかへ作業に向かう方が携帯することで安心して作業できることを提案する計画です。こちらは来春、販売を開始する予定です。
M&Aの積極推進

M&Aについてです。これまで積極的に推進しており、特に近年は実績が増加しています。当社では、スライド左側に示したようにエリアを拡大したり、エリア内の密度を高めたりする目的のM&Aと、スライド右側に示したように業種を拡充する目的のM&Aを意識して取り組んでいます。
スライド左側のエリア・密度の拡充は、枠内に実績を示していますが、2021年には仙台エリアを中心とするCSP東北をM&Aしました。また、東亜警備保障は栃木県、阪急阪神ハイセキュリティサービスは大阪、日本連合警備は山梨と、それぞれエリアを拡充してきています。
さらに、2025年から2026年にかけてスライドに「仙台エリアの見直し」と記載しています。当社のCSP仙台支社と前述のCSP東北で機械警備事業の再編を実施しました。
両者が同じエリアで類似の業務を行っていたため、機械警備はCSP仙台支社に集約し、そのほかの駐車場業務やサービス事業をCSP東北に分担させることで、双方の利益率を向上させることに成功しました。このようにエリアを拡大し、密度を高め、さらに利益率の向上を図る取り組みを今後も継続していきたいと考えています。
スライド右側の業種の拡充では、2019年にはカメラを取り扱うシーティディーネットワークスをM&Aし、事業を拡大しました。2025年には消防設備点検を行う総和防災をM&Aしています。当社も消防設備点検業務を行っていますが、この分野をさらに大きく広げていきたいという意図がありました。
さらに、今年は三和警備保障のM&Aを実施しました。同社は工事時などにおける列車の見張りを担当する企業で、こうした事業も拡大を図っていきたいと考えています。
このようなM&Aのうち、左側のエリア・密度の拡充では、売上や利益率を少しでも向上させることを目的としています。一方、右側の業種の拡充では、当社が現在行っている業務やそれに近い業務を、当社と関係が深い分野やテリトリー内で柔軟に展開することを目指しています。
また、事業拡大という点では、これらの事業は比較的高い利益率のため、その点を意識しつつ、今後もM&Aを推進していきたいと考えています。
新たに加わった連結子会社の紹介

新たに加わった連結子会社である三和警備保障のご紹介です。今年6月、当社のグループ会社である関西シーエスピーが三和警備保障株式会社の株式を取得しました。関西エリアの事業基盤をさらに強化するとともに、列車見張りというある意味で特殊な業務を広げられないかと検討しながら、この会社を発展させていきたいと考えています。
株主還元

最後に、株主還元です。配当方針の変更についてお伝えします。当社は、持続的な成長に向けた投資と株主のみなさまへの利益還元を両立させることで、中長期的な企業価値の向上を目指します。
その中で、配当に関してはDOE(連結株主資本配当率)を3.3パーセント以上とし、原則として前期の1株当たり年間配当金を下限とする累進配当を実施する方針に変更することを決定しました。2028年2月期から適用します。これにより、株主のみなさまへの安定的かつ継続的な還元を図ることを基本方針としました。
スライド下段には、2027年2月期の中間実績・期末予想を示しています。右側に記載のとおり、中間配当は40円、期末配当は41円で、配当の合計は81円です。参考として、業績予想ベースのDOEは2.7パーセントとなります。
左側には前年までの配当金推移として、各期の年間配当金を示しています。今期、2027年2月期の予想は81円です。来期は、DOEは3.3パーセントで累進配当を前提とすると、このようなボリューム感になると想定しています。
以上で中間期決算の説明を終了します。
質疑応答:営業利益率改善の取り組みと解約損の発生理由について

司会者:「8ページに営業利益率推移、9ページにセグメント構成比の推移として機械警備・機器工事の比率上昇と常駐警備比率の低下、13ページに警備料金が示されています。9ページでは機械警備・機器工事の比率が上昇しているものの、利益率は低下しています。2024年以降の営業利益率の低下傾向を反転上昇させる施策が機能していないように見えます。
想定に対する進捗状況について、うまくいっていることや課題を教えてください。どうなれば利益率が上昇