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金田武朗氏(以下、金田):みなさま、本日はご視聴いただきありがとうございます。株式会社ゴールドウイン取締役CSOの金田と申します。どうぞよろしくお願いします。

今回、初めてログミーFinanceさまの企業IRセミナーでお話しする機会をいただきました。まだ当社についてご存じでない方もいらっしゃるかと思いますので、最初に簡単に会社説明をいたします。その後、決算状況や今後の成長戦略、株主還元などについてお話しできればと思っています。

歴史

金田:まずは簡単に、当社の概要についてお話しします。当社は1951年、富山県小矢部市で「津澤メリヤス製造所」という小さなメリヤス工場を設立し、スタートしました。

当初はセーターなどのニット製品を製造していましたが、品質に徹底的にこだわった登山用ソックスが人気を集め、1952年にはスポーツウエアメーカーへと舵を切りました。

さらに、東京オリンピックの開催を翌年に控えた1963年に、より多くの選手が「ゴールドウイナー」になってほしいという願いを込めて、社名を「ゴールドウイン」に変更しました。

1970年にフランスのスキーウエアブランド「フザルプ」と技術提携したことをきっかけに、海外のさまざまなスポーツブランドとの提携を進めたことが、現在の当社のブランドビジネスの基盤となっています。

事業概要

金田:続いて、当社の概要です。当社の事業は「モノづくり」「コトづくり」「環境づくり」の3つで構成されています。

当社は自社で製造工場を持たない、いわゆるファブレス形態を採用しています。ただし、創業地である富山には研究開発拠点やマザーファクトリーとしての機能を残しており、高い品質と機能性を徹底的に追求した「モノづくり」を行っています。

当社が目指しているのは、単なるモノを作って販売する会社ではありません。「モノづくり」を原点に、スポーツやアウトドアを通じて自然と触れ合う体験や豊かな時間を生み出す「コトづくり」、さらには人と自然のつながり、新しい体験や文化が生まれる場そのものを作り出す「環境づくり」へと事業領域を広げています。

富山に研究開発拠点を置く強み

金田:先ほど、富山にモノづくりの研究開発拠点を残しているとお伝えしました。スライド左の写真は、富山県にある「Goldwin Tech Lab.」という当社の研究開発施設です。

ここには、アスリートの実際のパフォーマンスを測定する運動ルームや、温度・湿度・酸素濃度などを設定可能な人工気象室があります。ここでは、製品の試作から品質検査までを一貫して行うことができます。

また、富山という場所は、スポーツアパレルの素材開発において非常に強みを発揮できる立地です。北陸は日本有数の繊維技術の産地と呼ばれ、高品質で革新的な素材を生み出す企業が数多く存在しています。

近隣のこのようなクラスターと密接な関係性を構築している点が、当社の高い開発力を支える要因となっています。

ブランドポートフォリオ

金田:こちらのスライドでは、当社が取り扱うブランドについてご説明します。

当社は現在、15個のブランドを取り扱っています。独自に開発から販売まで行えるオリジナルブランドが6つ、商標権を保有しているオウンドブランドが3つ、さらにライセンスやディストリビューション契約を行っているブランドが6つです。

以上が、当社の概要についての説明になります。

連結売上高と営業利益率の推移

金田:次に、決算情報についてご説明します。こちらのスライドは、連結売上高と営業利益率の過去10年間の推移です。

2021年3月期は新型コロナウイルスの影響を受けて一時的に売上と利益を落としましたが、その後は順調に伸長しました。2026年3月期は売上高が1,375億円、営業利益が258億円となり、いずれも過去最高額を更新しています。

お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、当社の経常利益は営業利益を大きく上回る数字となっています。こちらは、後ほどご説明する韓国で展開する「THE NORTH FACE」の持分法投資損益が加わるためです。

2027年3月期の業績予想について

金田:今期の業績状況についてご説明します。4月から6月にかけて、ホールセール業態の店頭における消化不良や、中国大陸からのインバウンド需要やお客さまの減少による影響などがありました。

これらの影響が第2四半期以降も継続すると想定し、上期業績予想を売上高556億円、営業利益42億円に修正しています。

下期および通期の業績予想は現時点では据え置いていますが、目標水準やその達成までの道筋を丁寧に精査し、中期5ヶ年計画とあわせて11月に方向性を提示する予定です。配当方針については、変更はありません。

未来を創る「3つの戦略」

金田:続いて、当社の未来を創る「3つの戦略」についてご説明します。「3つの戦略」とは、「THE NORTH FACE」「Goldwin」「コト事業」の3つです。

まず、「THE NORTH FACE」のさらなる成長に向けた戦略についてですが、その前に、当社と「THE NORTH FACE」の関係性について少しお伝えします。

ゴールドウインとザ・ノース・フェイスの関係性

金田:当社と「THE NORTH FACE」の関係が始まったのは、1978年です。当時、日本でもアウトドアへの関心が高まり始める中、当社は「THE NORTH FACE」の輸入販売を国内で開始しました。

そして、大きな転機となったのが1994年です。当社は「THE NORTH FACE」の日本、および韓国における商標権を取得しました。こちらは、個人投資家のみなさまにもぜひ覚えていただきたいポイントです。

それでは、商標権を保有することがゴールドウインにとってどのような強みになるのか、次のページでご説明します。

商標権の“買取り”が意味すること

金田:商標権を保有しているということは、契約更新や権利返却のリスクがなく、自社で長期的にブランドを育てることができるということです。また、会計上でもすでに償却済みのブランド資産となっています。

つまり「THE NORTH FACE」というブランドは、見えざる資産として、今後も永続的に価値を生み続ける存在であると言えます。

続いて、「THE NORTH FACE」というブランドがこれまでどのように成長してきたのかについてご説明します。

時代に合わせ自ら市場を拡大

金田:まずは、マーケット戦略についてです。「THE NORTH FACE」は、もともと登山やトレッキングをルーツとするブランドです。

そこで培った高い機能性や品質を、アウトドアにとどまらず、クライミングやトレイルランニング、ランニングといったアスレチック市場、さらにはキャンプやライフスタイル、ファッションへと少しずつ活躍の場を広げてきました。

つまり、既存のアウトドア市場で他ブランドからシェアを奪うだけで成長したのではなく、「THE NORTH FACE」を使用する人や場面を広げることによって、マーケットそのものを大きく伸長させてきました。これが、過去10年間の成長を支えた大きな成果の1つであると考えています。

そして、このような市場の拡大を、私たちは日本独自の「CORE & MORE」戦略という考え方で整理しています。

日本独自の戦略「CORE & MORE」

金田:「CORE」とは、登山やアウトドアスポーツなど「THE NORTH FACE」の原点となる領域です。ここでは、厳しい自然環境で求められる高い機能性や技術を追求し続けることで、ブランドへの信頼を築いています。

一方で「MORE」とは、「CORE」で培った機能や技術をキャンプやランニング、ファッションなど、より多くのお客さまや場面へ適合したかたちで広げていくという考え方です。

重要なのは、「MORE」だけを広げないことです。「CORE」を着実に磨き続けるからこそ、日常やファッションへ広がっても「THE NORTH FACE」らしさを失うことなく成長することができます。

「CORE」でブランド価値を高め、「MORE」で市場を広げます。この両輪が、日本における「THE NORTH FACE」の成長を支えてきたと考えています。

「季節」の成長余地

金田:次に、これからの成長余地についてです。1つ目は「季節」の成長余地です。

日本では夏が長くなり、冬も暖冬になるなど、従来の春夏秋冬という季節の区切りだけでは捉えにくい状況になっています。一見するとアパレル企業には厳しい変化ですが、私たちはこれを新たな機会であると捉えています。

「THE NORTH FACE」は、もともと厳しい自然環境の中で快適に活動するための機能を磨いてきたブランドです。

その機能を日常生活にも広げ、暑い時期には吸汗速乾性に優れた製品や、気温が変化する時期には調整しやすいアウターなど、1年を通して使用いただける製品を強化しています。つまり、着用いただける季節を広げることが1つ目の成長余地です。

「お客様属性」の成長余地

金田:2つ目はお客さまの属性です。「THE NORTH FACE」は幅広いお客さまにご支持いただいていますが、現在は男性のお客さまの比率が高く、女性やキッズ市場には成長の余地があると考えています。

単にメンズ製品を女性向けに小さくするのではなく、女性のお客さまのライフスタイルやニーズに応じた製品や売り場作りを強化しています。

キッズ市場も、子どもたちが自然に触れる機会を増やすというブランドの考え方と非常に親和性が高いカテゴリです。着ていただける人の層を広げることが、2つ目の成長余地です。

「製品領域」の成長余地

金田:3つ目は製品領域であり、その代表がフットウエアです。「THE NORTH FACE」というとジャケットやダウンなどのウエアをイメージされる方が多いと思いますが、実はフットウエアも着実に成長しています。

直近では売上高が60億円を超える規模まで成長しており、中期経営計画ではさらに40億円の積み上げを目指しています。着ていただくものだけでなく、使っていただく商品領域を広げる点において、フットウエアは大きな成長余地の1つとなっています。

「接点」の成長余地

金田:最後に、お客さまとの接点についてお話しします。「THE NORTH FACE」は現在、全国に100店舗を超える直営店を展開していますが、私たちは同じ店舗を増やすことを目指しているわけではありません。

例えば、キャンプやランニングなどの体験に特化した店舗、キッズや女性のお客さまとの接点を作る店舗、旅をテーマに提案する店舗など、店舗ごとに異なる役割を持たせています。

また、店舗を増やすだけでなく、「THE NORTH FACE」の新しい使い方や楽しみ方を知っていただくための接点を増やし、それによって新しいお客さまとの出会いを作っていくことも目指しています。これが、4つ目の成長余地です。

ここまでが、「THE NORTH FACE」がさらなる成長を遂げるための戦略です。

未来を創る「3つの戦略」

金田:続いて、「Goldwin」ブランドのグローバル市場における成長戦略についてお伝えします。

Goldwinブランドのあゆみ

金田:「Goldwin」は、1960年代にスキーをルーツとして成長してきたブランドです。特に、1980年代から1990年代のスキーブームでは多くのお客さまに支持され、事業も大きく成長しました。

その後にスキーブームが終わると、大量の在庫を抱えるなど、ブランドとして非常に厳しい時期を経験しました。この経験は、現在のゴールドウインの経営にも大きな教訓として受け継がれています。

「売れるかもしれないから多く作る」のではなく、「本当にお客さまに必要とされるものを、必要な量だけ作る」という考え方を大切にしながら、2014年から「Goldwin」ブランドのリブランディングに取り組みました。

スキーで培った機能性やモノづくりの技術を維持しつつ、デザインやブランドの表現方法を大きく見直し、現在の「Goldwin」へと進化させてきました。

そして現在、私たちはこの日本で磨きをかけた「Goldwin」を、次に世界で育てることを目指しています。その具体的な目標が、次のページの「Goldwin500」です。

2033.3期にグローバルで500億円を目指す「Goldwin500」プロジェクト

金田:私たちは、2033年3月期に「Goldwin」ブランドのグローバル売上高を500億円まで引き上げることを目指しています。現在の売上高は、65億円です。

これまでの「Goldwin」は、日本での売上が中心でした。そのため、500億円を達成するには、日本だけで成長するのではなく、世界のお客さまに選ばれるブランドになることが必要です。

そして、この500億円の中で最も大きな成長を計画しているのが中国です。スライドをご覧いただくと、中国だけで500億円のうち約6割を計画しています。

ここまで中国の比率が高いと、投資家のみなさまから「中国に依存しすぎているのでは?」というご質問をいただくこともあります。確かに、この数字だけを見るとそのように感じられるのは当然かと思います。

では、なぜ中国を重視しているのか、次のページで私たちの考えをご説明します。

中国での出店状況

金田:こちらのスライドは、「Goldwin」の中国における出店マップです。現在、中国では北は瀋陽から南は深圳まで、さらに沿岸部だけでなく内陸部を含め、幅広い地域に店舗を展開しています。

中国は1つの大きな市場に見えますが、実際には地域ごとに気候、文化、ライフスタイルが大きく異なります。私たちは中国において、あえてこうした異なる地域に出店し、それぞれの地域でどのような製品、店舗、サービスがお客さまに受け入れられるのかを検証しています。

ここで最もお伝えしたいのは、「Goldwin」が単に中国で売れるブランドを目指しているわけではないという点です。中国という巨大で多様な市場の中で、「Goldwin」というブランドを育て、成功モデルとしての再現性を確認しています。

そして、ここで得た知見は、将来の欧州、北米、韓国などへの展開にも活かしていきます。つまり、私たちは中国をゴールとしているわけではなく、「Goldwin」が世界中で選ばれるブランドになるための重要なステップであると考えています。

実際に、「Goldwin」は中国だけでなく、すでに世界の主要都市への展開を始めています。

グローバルでの出店状況

金田:2026年にはロンドン、ソウル、ニューヨークといった世界の主要都市に相次いで旗艦店をオープンしました。私たちが重要視しているのは、最初から店舗数を一気に増やすことではありません。

スポーツ、アウトドア、ファッションなどへの感度が高く、世界的な発信力を持つ都市に旗艦店を構え、まずはそこで「Goldwin」というブランドを知っていただき、ブランド価値を高めていくことを重視しています。

中国でブランド育成の成功モデルを磨き上げつつ、世界の主要都市でも「Goldwin」の存在感を高めていきます。目指しているのは、日本の「Goldwin」から、世界で選ばれる「Goldwin」となることです。

以上が、「Goldwin」ブランドのグローバルマーケットにおける成長戦略です。

未来を創る「3つの戦略」

金田:3つ目の戦略は、コト事業です。当社は製品を提供するモノ事業に加え、自然の中での体験そのものを提供するコト事業を育成しています。モノとコトが循環することで、ゴールドウインならではの企業価値向上につながると考えています。

ゴールドウインのコトづくり

金田:コト事業の代表的な取り組みを紹介します。昨年、登山・トレッキングツアーで豊富な実績を持つ旅行代理店、アルパインツアーサービス社を子会社化しました。

また、「PLAY EARTH ADVENTURE」という取り組みでは、日本各地の国立公園を舞台に自然を楽しみ、その価値を体感できる機会を提供しています。

ウエアを販売するだけでなく、そのウエアを着て自然へ出掛ける体験まで提供することで、お客さまとの接点を広げ、ブランドへの共感を深めます。これが、ゴールドウインが「モノ」から「コト」へ事業領域を広げる狙いです。

ゴールドウインのコトづくり

金田:さらに成長拠点として、富山県に約40ヘクタールの「Play Earth Park Naturing Forest」という自然体験施設を、2027年のオープンを目指して建設しています。ここでは、自然の中で遊び、学び、食べ、滞在するなど、さまざまな体験を通じて人と自然との新しい関係を提案します。

この施設は単なるレジャー施設ではなく、ゴールドウインのモノとコトがつながる実践の場です。自然の中で製品を使い、体験することで得られる気づきや学びを、次のモノづくりやコトづくりへとつなげていきます。

この循環によって、ゴールドウインならではの企業価値をさらに高めていきます。

モノをつくる会社から、人々のライフスタイルを創造する会社へ

金田:当社が目指しているのは、単に服を作り販売するアパレルカンパニーではありません。自然を楽しむためのモノをつくり、自然とつながるコト、すなわち体験を生み出します。

この2つのサイクルを通じて、より豊かで、より自然と調和した新しい暮らし方を提案していきます。「モノをつくる会社から、人々のライフスタイルを創造する会社へ」、それがゴールドウインが目指す『Lifestyle Creative Company』です。

株主還元【基本方針】

金田:最後に、株主還元と今後のIRイベントについてご紹介します。まず、株主還元方針です。

当社は成長のための戦略投資と併せて、株主のみなさまへの利益還元を最重要課題と認識しています。中期経営計画では、DOE6パーセント以上、総還元性向の目安40パーセントをお約束しています。

DOEを指標としている理由は、短期的な業績変動に左右されることなく安定した配当が期待できるためです。財務基盤が盤石であるからこそ、この指標を用いています。

今期については、中間配当35.0円、期末配当35.0円を予定しており、合わせて70.0円の配当となります。

株主還元【株主優待】

金田:次に、株主優待です。昨年から新たに開始した中間配当では、当社オンラインでのお買い物の際にご利用いただける割引クーポンを進呈しています。

当社株式の保有数と継続保有年数に応じて、15パーセントから最大40パーセントの割引クーポンを差し上げています。

期末優待は、100株以上お持ちの株主さまを対象に、当社オリジナル優待品もしくは寄付の中から1つをお選びいただける内容となっています。

昨年のオリジナル優待品では、環境に配慮した素材や製造方法を用いた非売品をご用意しました。内容は毎年変更になりますので、ご容赦ください。

このように、株主になっていただくことで、当社の製品やモノづくりに対する考え方に触れていただけるのではないかと考えています。

今後のIRイベント

金田:最後に、今後のIRイベントについてご紹介します。10月16日金曜日の19時より、ゴールドウインの東京本社にて個人投資家向けイベントを開催します。

今年は、当社の主力ブランド「THE NORTH FACE」が誕生して60周年を迎えます。「地球への投資は、未来への投資」というテーマで、「THE NORTH FACE」の歴史からソーシャルグッドな取り組みまで、より詳しくご説明する予定です。

ご参加の特典や素敵な景品が当たるクイズ大会なども予定していますので、ぜひお申し込みください。

また、ブランド誕生60周年を記念した特別展示を、10月1日から10月31日まで当社青山オフィス1階のイベントホールにて開催します。入場は無料ですので、ぜひご来場ください。

以上で、私からのご説明を終わります。ご清聴ありがとうございました。

質疑応答:Tシャツやサンダルのような汎用アイテムの改善策について

1UP投資部屋Ken氏(以下、Ken):第1四半期について、機能性を訴求できる製品群が堅調だったというお話があったと思います。一方、Tシャツやサンダルなど、機能性を強く押し出しづらいアイテムが苦戦したとのことですが、これらのアイテムを今後どのように改善されるのか、教えていただけますか?

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