2026年12月期第3四半期決算説明
山本樹氏:本日はお忙しい中、決算説明会にご参加いただきまして誠にありがとうございます。取締役兼常務執行役CFOの山本です。2026年12月期第3四半期の決算について、私からご説明します。
2026年12月期第3四半期は、CFD収益や金融収益が好調で、店頭FXも復調し、第3四半期累計としては過去最高業績を達成しました。
GMOインターネットグループにおける不正アクセス事案について

決算説明の前に、GMOインターネットグループにおける不正アクセス事案について多くの報道がありましたので、みなさまもご存じかと思いますが、そちらの影響について冒頭でご報告します。
当社と同じ企業グループに属するGMOインターネット株式会社が提供する「お名前.com デスクトップクラウド」というサービスにおいて、不正アクセス事案が発生しました。お客さま、株主・投資家のみなさま、その他多くの関係者の方々にご心配をおかけしていますことを、まずは深くお詫び申し上げます。
本件に関する当社グループへの影響等について、3点ご説明します。
1点目は、当社連結子会社の取引システムへの影響です。一部報道を受けて、GMOクリック証券やGMO外貨の取引システムにおいて不正アクセスが発生したのではないかとの誤解が生じている可能性があるため、この点についてあらためてご説明します。当社連結子会社の取引システムは、今回の事案が発生した仮想専用サーバー「お名前.com デスクトップクラウド」とは独立した環境で構築・運用しており、現在、この事案による直接的な影響やお客さま口座における不正な操作は確認されていないということを、ご報告させていただきます。
2点目は、足元のお客さまの動向についてです。直接の関係はないものの、グループ会社で発生した事案であることや、同サーバー上でFXの自動売買ツールを使用していた利用者に不正取引の被害が生じたことなどを受け、こうした不正取引が確認されていないGMOクリック証券、GMO外貨、GMOコインにおいても、通常時と比較して口座解約や出金が増加しているほか、新規口座開設数や申し込み数が減少する影響が出ています。
3点目は、第4四半期以降の当社連結業績への影響についてです。出金の増加などにより預り資産が減少している一方、取引高自体には現状大きな影響はないと見ていますが、これらの動向次第では業績にも影響が出てくる可能性があります。この点については毎月KPIを開示しており、10月末時点のKPIについては11月はじめに開示予定ですので、そちらでご確認いただければと思います。
エグゼクティブ・サマリー

それでは、決算説明に移ります。まず、決算概要についてご説明します。冒頭にお話ししたとおり、CFD収益・金融収益が引き続き好調であることや、店頭FXが復調したことを受け、第3四半期累計では営業収益445億円、営業利益は160億6,000万円と過去最高の業績を達成しました。
事業別では、証券・FX事業のうち店頭FXについては、当第3四半期は日米の協調介入などのイベントが多くあり、ボラティリティが上昇したことを背景に収益性が改善しました。前年同期と比べるとまだ減収であるものの、減少幅は縮小しています。
CFDは引き続き高水準にありますが、四半期ごとに見ると上期から若干減収となっています。ただし、前年同期比では大幅な増収増益となっており、引き続き全体を牽引している状況です。
金融収益については、金利上昇による預託金運用収益の伸長に加え、信用取引収益も堅調であるため、収益全体の下支えとなっています。
一方、暗号資産事業は、今年に入り低調なマーケット環境が続いており、第3四半期も引き続き盛り上がらない状況で、前年同期比では減収減益となりました。そのような中でも、GMOコインは国内売買代金シェアが上昇傾向で推移しており、健闘している状況です。
業績が良好であったことを踏まえ、株主還元の強化として配当予想を上方修正しました。第3四半期の1株当たり配当金は20円23銭で、前回公表時から四半期で5円78銭、年間で11円56銭の上方修正となっています。
Q3'26(1-9月)|決算サマリー(前年同期比)

決算サマリーです。過去最高の業績であり、数値はスライドのとおりです。最終損益も第3四半期累計で100億円を超える水準まできています。
Q3'26(1-9月)|営業利益増減(前年同期比)

スライドは、営業利益の前年同期比増減要因です。第1四半期からCFD・株BOが非常に好調です。この好調を維持しつつ全体を大きく押し上げ、CFD・株BOは82億1,000万円の増加となりました。また、金利の上昇などもあり、金融収支が12億2,000万円増加しています。
一方、FX・外為OPはマイナス13億2,000万円となっていますが、第2四半期累計と比較すると減収幅は縮小しています。
これらの要因により、暗号資産の不調や若干のコスト増加を吸収し、最終的に増益で着地しました。
Q3'26(1-9月)|セグメント別の状況(前年同期比)

セグメント別の状況です。証券・FX事業は、CFDが引き続き好調であることに加え、FXも復調したことで増収増益となりました。営業利益率も41.8パーセントと非常に高い水準を維持しています。
一方、暗号資産事業は、前年同期と比べてマーケット環境がかなり悪化し、減収減益での着地となりました。ただし、コスト管理を徹底した結果、厳しい環境下でも黒字を確保できたことは一定の評価ができると考えています。
株主還元|配当

株主還元及び配当についてです。配当予想を上方修正し、1株当たり配当金は20円23銭、年間では68円60銭となり、過去最高の前期実績を上回る水準となりました。
スライド左下の棒グラフは配当予想です。今年度最初の決算説明会で公表した配当予想は42円8銭でしたが、そこから26円以上上方修正し、68円60銭まで増加しています。スライドのグラフから、四半期ごとに増加している様子がおわかりいただけるかと思います。
四半期業績推移|営業収益(セグメント別/商品別)

ここからは、四半期の業績推移になります。まず、営業収益です。CFD収益・金融収益が引き続き高水準を維持しており、ボラティリティの回復に伴いFX収益も改善しています。暗号資産はやや不調であるものの、それを補い、当四半期もかなり高い収益水準であったと考えています。
四半期業績推移|営業利益・営業利益率

営業利益・営業利益率についてです。第3四半期単体では営業収益が149億6,300万円、営業利益が57億1,400万円、営業利益率が38.2パーセントとなり、非常に高水準な決算であったと思っています。
四半期業績推移|販売費及び一般管理費

スライドは、販売費及び一般管理費の四半期推移です。第3四半期の実績は78億6,000万円でした。第2四半期時点で81億円と見通しをお伝えしていましたが、貸倒引当金を除くと80億円強であることから、概ね想定どおりの推移となっています。
費目別に見ると、人件費や事務費が増加しています。人件費は業績連動賞与の引当増加が要因であり、事務費については一般的な物価高の影響もあり若干増加しています。
第4四半期の見通しは、合計で85億円です。セグメント別の詳細については、スライドに記載のとおりです。第3四半期に比べると若干増える見込みですが、概ねこの程度だと考えています。広告費については若干多めに見積もっていることもあり、全体としては85億円と見通しています。
証券・FX事業|店頭FX国内取引高シェアの推移

続いて、事業の状況についてご説明します。まず、FX事業です。スライドは、店頭FXの国内取引高とシェアの推移です。
冒頭にお話ししたとおり、第3四半期は、マーケット全体のボラティリティがやや回復したこともあり、取引高が増加しています。そのような中、当社グループの取引高シェアは21.4パーセントとなり、安定的に21パーセント以上を維持しています。
取引活性化に向けたさまざまな取り組みを行っており、具体的には、各社でスプレッドの縮小やスワップポイントの強化を推進しています。お客さまに有利に取引していただける環境を整え、利用者数の拡大に取り組んでいます。
証券・FX事業|店頭FX取引人数(QAU)シェアの推移

スライドは、店頭FXの取引人数シェアの推移です。第2四半期は前四半期に比べて若干下がっているものの、15パーセント超と引き続き高水準を維持しています。数年前から開始した小口取引を含めた取引人数の増加と、その結果としての取引高シェア拡大に取り組んでおり、ユニークユーザーも着実に増加しています。
顧客基盤の拡大に向けた取り組みとしては、共通ID「1アカウント」を通じた新規FX口座開設や取引キャンペーンを実施しています。
証券・FX事業|店頭FX預り証拠金残高の推移

店頭FX預り証拠金残高の推移です。第3四半期は4,030億円となりました。第2四半期と比較すると、為替介入に伴う相場急変の影響を受け一時的に減少する場面もありました。その関係で前四半期比では減少していますが、前年同期比では2.6パーセント増加しており、少しずつ増えています。
証券・FX事業|CFD売買代金・収益の推移

CFD事業についてです。CFDの売買代金・収益の推移はスライドのとおりです。四半期ごとに見ると、売買代金は前期の第4四半期、収益は当第2四半期で下がっています。当第3四半期は第2四半期に比べると低く、非常に活況だったころからは低下していますが、高水準が続いています。前年同期からは2倍以上の収益を確保しており、悪い状況ではないと認識しています。
証券・FX事業|CFD預り証拠金残高の推移

CFD預り証拠金残高の推移です。第3四半期末で740億円となっています。ここ最近は横ばいが続いていますが、高い水準を維持しています。
取引活性化や利便性向上に向けた取り組みとしては、GMOクリック証券に続き、GMO外貨でも商品CFDに円建ての貴金属銘柄を導入しました。
証券・FX事業|株式売買代金の推移

株式についてです。株式売買代金の推移はスライドのとおりです。マーケットは今年に入ってから好調で、前年同四半期比では市場全体で80.5パーセント増加しています。また、GMOクリック証券は83.1パーセント上昇しており、市場を上回る伸びを記録しています。
ただし、前四半期比では、市場全体が微減にとどまる中、信用取引を中心に当社のシェアが減少したため、若干シェアが下がっています。
証券・FX事業|金融収益の推移

金融収益の推移です。GMOクリック証券の第3四半期の収益は20億4,300万円で、前年同四半期比53.4パーセント増と大幅に増加しています。スライドの濃い青色でお示ししている「その他」に含まれる分別金運用益が、金利上昇の影響を受けて大幅に増加しました。GMOクリック証券の金融収益は過去最高を更新しています。
証券・FX事業|タイ証券における債権残高の状況

証券事業の最後に、タイ証券における債権残高の状況についてご説明します。債権残高は68億4,000万円となっています。スライド右側の棒グラフは四半期ごとの債権残高の推移ですが、ここ最近残高があまり減少していないことが確認できます。
2025年2月に公表した回収計画では、2026年中に債権元本約110億円の9割以上を回収する予定としていたものの、大口債権の回収遅延や一部訴訟の発生などの影響もあり、達成が困難な状況になっています。そのため、債権残高の減少がやや鈍化しています。
ただし、スライド左下の表のとおり、担保による保全が図られているため、すぐに貸倒引当金繰入額の計上が必要となる状況ではありません。68億4,000万円の債権に対して、全体で146億8,500万円の担保があります。引当金としては6億8,000万円計上しており、残りのリスクは61億6,000万円となりますが、担保によって相応のカバーがなされているため、引当金の追加計上は不要と考えています。
今後は、市場動向を踏まえた担保株式の売却や担保不動産の抵当権の行使による回収を進めつつ、期末時点での債権回収状況を踏まえ、回収額の最大化とコストの最小化を見極めながら柔軟に判断していきたいと考えています。
暗号資産事業|業績推移

続いて、暗号資産事業の状況です。スライドは業績の推移です。左側が営業収益・営業利益・営業利益率の推移、右側が販管費の推移となっています。
市場環境は若干改善し、営業収益は前四半期に比べ増加しました。しかし、外部借入の切り替えに伴う一時的な資金調達関連費用の増加、これはスライド右側の取引関係費に含まれるものですが、これらのコストが一時的に増加したため、増収でありながら減益という結果になりました。コストはシビアに管理しているため大きく増加することはありませんが、このような一時的な要因で減益となりました。
暗号資産事業|売買代金の推移

暗号資産事業の売買代金の推移です。GMOコインの売買代金は9,000億円から1兆2,000億円に増加しました。マーケット全体も増加していると推測されますが、9月の数字が未公表であるため全体的な状況は不明です。ただし、依然として活況とはいえず、収益面では厳しい状況が続いています。
スライドに記載のとおり、証券の代用有価証券のように、暗号資産を担保に証拠金取引ができる「代用暗号資産」サービスを導入するなど、利便性向上に向けた取り組みを進めています。
こうした取り組みの成果もあり、シェアは上昇傾向にあります。第2四半期では21.1パーセント、第3四半期のうち7月・8月の2ヶ月のシェアを見るともう少し上がりそうですので、第3四半期としても上昇していると考えられます。マーケットが厳しい状況ながらも、健闘しているのではないかと思っています。
暗号資産事業|ステーキング収益の推移

ステーキング収益の推移です。前年同四半期比で55.8パーセント減少しました。この背景には、競合他社のレートが良いことによるレート競争の発生、報酬の低下、利用促進キャンペーンに伴う手数料還元などの影響があります。
暗号資産事業|口座数と顧客預り資産の推移

口座数と顧客預り資産の推移です。口座数は前年同期比6万3,000口座増加しており、順調に伸びています。
預り資産は前年同四半期比25.7パーセント減少しましたが、これは暗号資産の価格が大きく影響しているためです。前四半期からは大幅に増加していますが、これも暗号資産価格の復調が要因とご理解ください。顧客基盤としては、口座数の増加などにより順調に拡大していると考えています。
その他|少額短期保険

最後に、その他の事業についてです。今回、少額短期保険のリリースがあったのでご紹介します。10月から新商品の「死亡保険」の販売を開始しています。これは、少額短期保険会社がグループに加わった後、初めてとなるオリジナル商品で、わかりやすい死亡保障に絞った、非常にシンプルな商品設計となっています。共通ID「1アカウント」を用いてオンラインで申し込みが可能な商品です。今後もさまざまな商品を開発していきたいと考えていますので、今後の商品展開をお待ちいただければと思います。
私からのご説明は以上です。ご清聴ありがとうございました。