Index

小泉明大氏:みなさま、お忙しい中、本日は株式会社オービックビジネスコンサルタント(以下、OBC)の第2四半期・上期決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。

OBC執行役員管理本部管理部部長の小泉明大です。本日は、まず初めに主要な指標について、次に決算の概況、その後に通期計画の上方修正について、最後に事業運営における重点取り組みについてご説明します。

主要な指標

それでは、主要な指標についてご説明します。スライドでは、OBCのビジネスモデルと業績を示す代表的な指標を一覧にまとめています。いずれも右下の小さな数値が前年同期、左上の大きな数値が最新の数値です。

これらの指標は、継続収益の積み上げ、ユーザー基盤の拡大、それらが業績に反映される流れで理解いただける内容となっています。

まず、継続収益の積み上がりについてです。

ARRは500億円となり、この1年で17.5パーセントの成長を果たしました。継続収益比率は前年同期とほぼ変わらず83.8パーセントです。また、前受収益残高は363億円で、この1年で47億円余り増加しています。契約継続率は99.5パーセントと安定した水準を維持しています。

次に、ユーザー基盤の拡大についてです。クラウドARPUは61万9,000円となり、1年前から5万7,000円上昇しました。また、稼働システム数のうちクラウド・Edge稼働システム数は16万9,000システムで、この1年で3万7,000システム増加しています。

これらが業績へ反映され、上期の売上高は287億円となり、前年同期比15パーセントの増収、営業利益は136億円で前年同期比21.8パーセントの増益となりました。いずれも上期決算として過去最高の実績です。

ARRの推移

各指標についてご説明します。ARRの推移についてです。ARRの定義および算式は、四半期末の継続収益型の売上月額を12倍して年額換算したもの、すなわちサブスクリプション型売上の直近月水準を年ベースで表したものです。

OBCのARRは、主に棒グラフの水色で示しているクラウド利用料のARRと、下部の濃い青色で示しているオンプレミス保守料のARRで構成されています。この合計が今回、第2四半期で500億円の大台に達しました。

ARR全体の年成長率は17.5パーセントとなり、前回の第1四半期の14.4パーセントからさらに加速しています。内訳構成の数年にわたる推移を見ると、オンプレミス保守料は緩やかに減少する一方、クラウドARRが大幅に伸び続けていることがわかります。

オンプレミスユーザーのクラウド移行が進展するとともに、新たに「奉行クラウド」をご利用いただくお客さまが着実に増加しています。

クラウド収益の推移

クラウド収益の推移についてです。スライド左側に示されているクラウドARRは、最新月の売上を年ベースにした指標です。一方、右側のクラウド四半期売上は、実際の損益計算書(P/L)に計上される3ヶ月ごとの数値を示しています。

左側のクラウドARRは、最新月の売上水準を反映しているため、成長期には右側のP/L計上ベースの数値よりも若干先行して成長する傾向があります。このクラウドARRは、この1年間で30.3パーセント成長しました。

内訳としては、棒グラフの上部の水色部分が「基幹業務クラウド」、下部の少し濃い色の部分が「奉行クラウドEdge」の数字です。特に「基幹業務クラウド」の伸びがクラウド収益の成長を牽引しています。

クラウドARPU・クラウド稼働システム数の推移

スライドのグラフは、クラウドARPUとクラウド稼働システム数の推移を示しています。

まず、スライド左側のクラウドARPUは、ユーザー企業1社当たりの年間平均売上を表しており、今回61万9,000円となりました。クラウド売上全体に占める高付加価値サービスの構成比の上昇が成長を牽引しています。

右側はクラウド・Edge稼働システム数の推移で、今回16万9,000システムとなり、この1年間で27.9パーセントの増加となりました。この推移からも「基幹業務クラウド」の大きな伸びが確認できます。

このように、ARPUの上昇とクラウド稼働システム数の増加の両面から、クラウド収益が拡大しています。

継続収益比率

スライドは、継続収益比率です。上期の売上高のうち、クラウド利用料とオンプレミス保守を合わせた継続収益型の売上は、売上全体の83.8パーセントにあたる240億円となりました。クラウド拡大により、収益の安定性と成長性が一段と高まっています。

売上構成・営業利益の推移

売上構成と営業利益の推移についてです。

スライド左側のグラフは四半期単位の売上で、構成要素ごとの推移を一覧できるようになっています。まず、棒グラフ全体の高さをご覧いただくと、当第2四半期3ヶ月の売上高が過去最高を更新し、148億円となっています。内訳構成の中で、特に中央の水色の部分がクラウドの利用料売上であり、この部分が順調に拡大しています。

また、右側のグラフでは、棒グラフが各上期の営業利益額を示しており、今回の136億円は過去最高を更新しました。折れ線グラフの営業利益率も順調に上昇を続け、今回は47.4パーセントに達しています。

クラウド売上の拡大に伴う売上構成の改善が、利益成長と利益率の向上の両方につながっています。

前受収益残高と契約継続率の推移

前受収益残高と契約継続率の推移についてご説明します。

スライド左側の前受収益残高の推移をご覧ください。OBCでは、クラウド利用料やオンプレミス保守の代金について、契約期間分全額を前受けでいただいています。この数字は、将来の売上へ振り替わる金額を示すもので、受注残高の一種の指標として継続して開示しています。

今回の前受収益残高は363億円となり、この1年間で47億3,000万円増加しました。その前の1年では増加額が5億円に満たなかったため、この上期にクラウド受注が旺盛であったことを如実に示していると思います。

なお、棒グラフの黄色い部分で示した長期残高が徐々に減少しているのは、約2年前から新規の5年契約の受付を停止したことによる影響です。

スライド右側の契約継続率は、今回も99.5パーセントと高い水準を維持しています。

以上が、主要な指標のご説明です。

損益計算書

上期決算の概況についてご説明します。

スライドは損益計算書の概要です。中央の列の青字が上期の実績数値を、右側が対前年同期の増減数値をそれぞれ示しています。

売上高は287億円で、前年同期比15パーセントの増収となりました。

売上総利益は242億円、売上総利益率は84.8パーセントで、ソリューション売上の構成比率の上昇により、昨年上期よりも0.3ポイント改善しています。

販売管理費は106億円で、前年同期比8.1パーセント増加しました。

この結果、営業利益は136億円で前年同期比21.8パーセントの増益となり、営業利益率は47.4パーセントにまで上昇しました。

また、預金金利の上昇などの影響を受け、営業外収益は前年上期よりも4億円余り増加し、経常利益は148億円で前年同期比24パーセントの増益、中間純利益は101億円で前年同期比22.5パーセントの増益となりました。

売上高の品目別内訳

売上高の品目別内訳です。

まず全体的な動きとして、表の上から2行目のクラウド売上の構成比をご覧ください。

前期は59.6パーセントでしたが、この上期は66.1パーセントまで上昇しています。また、この成長率は27.5パーセントとなっています。クラウドシフトが加速していることが、ここから読み取れるかと思います。

クラウド売上については、今期189億円となっており、その中でも「基幹業務クラウド」の売上が137億円で、前年同期比34.9パーセントの増収と、ボリュームゾーンで高い伸びを示しています。ここ数年来、軸をぶらさず展開している複数の重点施策の成果が、数字に表れていると考えています。重点施策の状況については後ほど触れます。

「奉行クラウドEdge」の売上は51億円で、前年同期比11.2パーセントの増加となりました。

関連製品売上は21億円で、「奉行連動ソリューション」の売上は増加しています。しかし、関連製品売上には前期に一過性の内容として約5億円が含まれており、今期にはそれが含まれていないため、その影響を踏まえた増減結果として12.3パーセントの減少という見た目になっています。

サービス売上は72億円となりました。

内訳として、オンプレミス保守については、オンプレミスユーザーのクラウド移行の進展に伴い、引き続き減少しています。

一方、その他(インスト指導等)は、製品インストラクターによる有償指導サービスの売上に該当します。こちらは「奉行クラウド」を新規に導入した企業からの需要が旺盛であることを背景に、前年同期比55.5パーセントの増収と、高い伸びを見せています。

販売費及び一般管理費の内訳

販売費および一般管理費の内訳についてです。

販管費全体は106億9,800万円で、前年同期比8.1パーセントの増加となりました。

その要因として、人員増による販管人件費と研究開発費の増加が挙げられます。

広告宣伝費については、この上期における施策の選択と集中による効率的な運用の結果、前期よりも5,000万円弱減少しました。

償却費は、「奉行LAND」をはじめとする自社利用のソフトウェアの償却の増加により、1億円余りの増加となっています。

その他経費については、システム関連費用や展示会などマーケティング活動関連費用の増加により、4億円余りの増加となっています。

売上高全体の伸びが15パーセント増と、販管費全体の増加率である8.1パーセントを上回ったため、売上高販管費比率は前期の39.7パーセントから37.3パーセントへ低下しました。 結果として、営業利益率は47.4パーセントへ上昇しています。

2027年3月期 通期事業修正計画

事業計画および通期見通しの上方修正についてご説明します。上期の実績が計画を上回ったことを受け、通期計画を上方修正しました。なお、下期の計画は期初計画を据え置いています。

売上高は575億円から10億円増加し585億円、営業利益は265億円から11億円増加し276億円、経常利益は282億6,000万円から15億円余り増加し298億円、当期利益は193億5,000万円から204億円へとそれぞれ増加しました。

この修正計画の達成に向けて、下期も着実に事業運営を進めていきます。

ここまでが決算概況のご説明です。

続きまして、事業運営の重点取組みに関して、価格改定、セキュリティとAI、グローバル対応、というキーワードについて、順にご説明します。

奉行クラウド価格改定

まず、「奉行クラウド」の価格改定についてです。これは、セキュリティ対策およびAI機能の継続的な強化によるサービス価値のさらなる向上を目的として、「奉行iクラウド」と「奉行クラウドEdge」の価格改定を実施するものです。

改定時期は、新規出荷分については10月分から、既存契約の契約更新については12月末以降に順次適用となります。クラウド全体のうち、今回の価格改定の対象製品はおおむね7割強と見込んでいますが、対象製品についての平均価格上昇率は15パーセントです。

ただし、お客さまごとの契約更新のタイミングで新価格に切り替えさせていただくため、業績へのPLフル寄与の時期は実施から概ね2年後と見込まれます。今回の改定を、安全性向上や業務革新への継続投資につなげ、お客さまへ価値として還元していきます。

2026戦略発表会におけるキーワードは、『セキュリティ&AI』

今期は「セキュリティ&AI」を重点テーマに掲げています。セキュリティによって安心して業務を継続できる基盤を整え、AIによって業務そのものを進化させる、この2つを一体で提供することが「奉行クラウド」の価値です。

販売面では、オンプレミスユーザーのクラウド移行を着実に進めるとともに、パートナーとの連携を通じて新たな需要創出にも取り組みます。

ランサム攻撃の影響を回避し得るセキュリティ構造

「奉行クラウド」は、ランサムウェア攻撃の影響を構造的に回避可能なセキュリティ設計となっています。PaaSを活用したネイティブSaaSとして構築されているため、アプリケーションとクラウド基盤の権限が完全に分離されています。

また、OSやデータベース基盤に関するシステム権限には、ユーザー企業の環境からもOBCの環境からもアクセスできない構造となっています。

さらに、脆弱性修正を自動適用することで、常に最新の環境を維持しています。

このように、サービスの構造そのものが、お客さまの事業継続を支える仕組みとなっています。

ランサム攻撃の影響を回避し得るセキュリティ構造

スライドは、先ほどのセキュリティ構造をお客さまにわかりやすくお伝えするための資料です。

さらなるセキュリティ強化と新市場(行政市場)への展開拡大

さらに、セキュリティ強化の一環として、ISMAPへの登録を通じ、公官庁や自治体などの行政市場を新たなマーケットとして展開を拡大しています。

ISMAPは、政府公共機関がクラウドサービスを調達する際のセキュリティ評価基準です。

この基準を昨年クリアしたことで、デジタルマーケットプレイスに「奉行クラウド」が掲載され、省庁や県、市など全国の自治体から直接注文や見積もり依頼をいただくケースも増えています。また、自社と自治体の関係が深いパートナーからの案件紹介も増加しています。

特に、人事労務系の「奉行」へのご注文やお問い合わせが非常に多く寄せられており、すでに出荷済みの案件や、出荷に向けたお打ち合わせを進めている案件も複数ございます。

奉行クラウド・奉行クラウドEdgeが提供する安心・安全のセキュリティ

スライドは、「奉行クラウド」のセキュリティ全体像です。

Microsoftが提供する強固なセキュリティを誇るクラウド基盤の上に、OBCが独自でアクセス認証をはじめ、さまざまなセキュリティの仕組みを取り入れており、OBCの開発・管理・運用体制が最高水準にあることは、各種第三者評価で証明されています。

お客さまに安心・安全な業務環境を提供するため、こうした仕掛けや構造、継続的な取り組みを行っています。

奉行AIの開発方針(OBCによるAX実現に向けたAI戦略)

ここからは、AIについてご説明します。まず、「奉行AI」の開発方針です。目指しているのは、これまでの業務の骨組みを大きく変えるのではなく、業務そのものを進化させることです。

「奉行AIアシスタント」については、各種「奉行」製品に組み込まれ、日々繰り返される定型業務を支援します。「奉行AIエージェント」は、単独のソリューションとしてAIが業務そのものを代行し、革新的な生産性向上に寄与します。

誰もが不安なく日々の業務の中でAIを自然に活用できる環境を、これら2つを軸に提供します。

奉行クラウドAIロードマップ

スライドは「奉行AI」のロードマップです。今期は、帳票作成や勤怠申請書の作成、社内規則に関する照会対応など、日常業務に自然に組み込まれるAIアシスタントを拡充していきます。さらに、一連の業務をAIで遂行する「奉行AI Cowork」を、請求書発行・受領の領域から展開していく予定です。

奉行Edge勤怠管理クラウド「申請AIアシスタント」を提供開始

上期にリリースした、勤怠申請のAIアシスタントのご紹介です。

提出が必要な申請を自動検知し、勤務実績や就業規則に基づいた申請書の作成を支援します。この機能は、申請書を作成する従業員と人事労務担当者の双方の生産性向上を目的としています。

新製品「奉行AIエージェント 人材活用クラウド」をリリース

「奉行AIエージェント」の第3弾として、新製品「奉行AIエージェント 人材活用クラウド」をリリースしました。「奉行」シリーズに蓄積された業務データを活用し、人材活用を支援します。基幹業務から自然に集まるデータを価値に変え、AIエージェントの領域を人事分野へ広げていきます。

外資インバウンド需要対応・多国籍社員の利用に対応

グローバル対応についてです。「奉行クラウドEdge」の多言語対応は、日本企業における多国籍人材や多国籍社員の活用を支援するだけでなく、インバウンド、すなわち外資系企業の本社や外国人管理者による日本拠点の運営、スムーズな従業員管理を支援しています。

海外拠点の見える化・会計基盤の統一

「勘定奉行クラウドGlobal Edition」はすでに累計導入100社を超え、現在、世界41の国と地域で安定的に稼働しています。海外拠点で現地の言語や通貨で入力されたデータを、日本本社でリアルタイムに日本語と円換算額で把握することが可能です。

日本と海外の個別会計、さらに連結会計までを同一基盤、同一データベースで扱うことで、海外拠点の可視化およびグローバルガバナンスの強化に貢献していきます。

以上が、本日の私からのご説明です。