決算ハイライト(第2四半期累計期間)

北川裕憲氏:スローガン株式会社、第2四半期決算説明会を開催します。本日15時半に発表した、2027年2月期第2四半期の決算の内容についてご説明します。
本日の説明を担当します、取締役副社長の北川です。よろしくお願いします。まずは業績のハイライトとして、冒頭にいくつかサマリーについてお伝えします。
当社は2月決算のため、5月に第1四半期が終了し、8月に第2四半期が締まりました。上半期累計では、売上高9億8,000万円、営業利益3億4,000万円、営業利益率34.7パーセントで着地しました。前年同期比では、売上高がプラス1.4パーセント、営業利益がプラス3.6パーセント、営業利益率がプラス0.8ポイントで推移しています。
まずは、1つ目の「主力事業の成長」についてです。当社の主力である新卒向けサービス「Goodfind」が継続的に成長していることや、高収益な体質への変化が進んでいることから増収増益となり、全社として全段階利益で前年同期比増益となりました。
前期末に発表したとおり、利益面や進捗の観点から不採算となっていた事業の一部から撤退しました。具体的には、中途採用領域の「Goodfind Career」および「TeamUp」で提供していた一部のコンサルティングサービスを停止しています。
前期の同時期にはこれらのサービスを提供していたことから減収の影響を受けましたが、それを吸収し、全体として成長を遂げました。
「Goodfind」には季節的な変動があり、第1四半期の4月に売上と利益が大きく集中する傾向があります。その中でも進捗率は計画どおりに推移していると考えています。
特に「Goodfind」では、2028年卒向けのイベントや採用コンサルティングサービスの提供が始まる期間にあたり、これらのコンサルティングやイベントのニーズを的確に捉えながら、学生向けサービス全体が計画どおり着実に推移しています。
また、先ほども触れたとおり、「Goodfind Career」および「TeamUp」の一部サービスや「メタノビ」などの不採算サービスの整理・停止を実行しました。現体制で生産性を向上させた結果、営業利益率は34.7パーセントとなっています。本日は、細かい数字の推移や経緯も含めてご説明したいと思っています。
2027年2月期決算スケジュール

本日9月29日に、第2四半期決算説明会を実施しています。次回は、年内となる12月22日に第3四半期決算を開示する予定です。スケジュールの確認やご参加の登録なども、あわせてお願いできますと幸いです。
INDEX

本日、会社概要や事業内容については簡単に触れる程度にとどめ、決算概要を詳しくご説明します。
当社は4月の決算発表時にミッションを再定義し、その中で、一人当たり営業利益や営業利益率を強く財務規律として重視し、推進することを発表しました。今回、これらの数字が具体的にどのように推移してきたのかをお伝えするために新たな関連スライドを追加したため、補足します。
また、引き続き重要課題として認識している企業価値向上に向けた具体的な施策や今後のスケジュールについても、みなさまにお伝えできればと思います。よろしくお願いします。
これまでの軌跡や経営体制の概要については、お手元の資料をご覧ください。
事業ポートフォリオ①

事業内容についてです。当社は全体として「採用する」「伝える」「育てる」という文脈で、新産業領域における人材関連サービスを展開しています。主力事業はスライド中央にある「採用する」であり、具体的には新卒採用の厳選就活プラットフォーム「Goodfind」となります。
事業ポートフォリオ②

売上高の構成比としても、通期の予想売上高は16億2,000万円ですが、そのおおよそ4分の3以上を「Goodfind」が占めています。
サービス対象年代別の分類において、キャリアサービスは主に大学生や大学院生など、若手人材向けのサービスです。その隣接領域に「G3」があり、若手の20代を対象とした転職支援を行っています。さらに、周辺分野ではメディアやSaaSという異なる文脈で、20代から30代の方々に向けたサービスも展開しています。
「Goodfind」は、全国の優秀な若手学生のIDを基に当社の母集団を形成し、新しい事業に取り組んで成長を目指す企業や、これから新しい社会を切り開いていこうとする若い企業に優秀なタレントをつなぎ、紹介料を得る事業です。
以上が、事業ポートフォリオの全体像です。
基本的なビジネスモデル

基本的なビジネスモデルに関して、第1四半期や前期末から変更はなく、スライドに記載したようなモデルに基づき事業を展開しています。
連結業績サマリー

続いて、決算概要の詳細についてご説明します。まずは、連結業績サマリーについてです。
冒頭のハイライトでも少し触れましたが、累計期間の売上高は9億8,000万円で、前年同期比プラス1.4パーセントとなりました。一方、会計期間の売上高は前年同期比マイナス2.5パーセントとなっています。
当社の主力事業「Goodfind」を含むキャリアサービス分野の内訳に含まれる学生向けサービスは、会計期間・累計期間ともに継続的な成長を見せています。
一方、社会人向けサービスは、会計期間では前年同期比マイナス21.3パーセント、累計期間でもマイナス8.2パーセントと減収になっています。
この分野には、もともと2つの事業が含まれていました。昨年は、先ほどご説明した学生向け「Goodfind」の隣接領域である若手社会人向けキャリアサービス「G3」と、20代後半から30代後半を対象とした中途紹介サービス「Goodfind Career」がありました。
「Goodfind Career」を前期末のタイミングでクローズしたため、今年はその売上高が計上されない状況です。こちらが、社会人向けサービスの主な減収要因となっています。
一方、継続して磨きをかけている「G3」は順調に成長しており、上期はおおむね前年同期と同水準で推移しています。
メディア・SaaS分野も、売上高がマイナスとなっています。こちらには「TeamUp」と「FastGrow」の2つのサービスが含まれており、「TeamUp」に付随して提供していたコンサルティングサービスについて収益性の観点で見直しを行い、一時停止した影響で売上高が減少しました。
全体の売上高の中で、減少傾向にある社会人向けサービスとメディア・SaaS分野は、前期末に決定した「Goodfind Career」の終了および「TeamUp」の一部サービスの一時停止による影響を受け、マイナスで着地しています。
収益性向上を目指して撤退を判断した結果、営業利益は会計期間で前年同期比35.6パーセント増の3,300万円、累計期間では前年同期比3.6パーセント増の3億4,000万円となっています。
次に、2027年2月期の通期進捗状況については、売上高予想16億2,000万円に対し、現在の進捗率は61.0パーセントとなりました。
冒頭でご説明したとおり、「Goodfind」は4月に売上高が偏重するため、上期の進捗率が高めに出る構造です。現在の61.0パーセントは、計画を上回るかたちで進捗している数値であると考えられます。例年の四半期変動の傾向から見ても、当社では妥当な水準と認識しています。
また、営業利益の進捗率については、数字の代わりに米印を記載しています。これは、季節変動の影響を受ける中で単純に計算すると上振れた数値となり、実際の進捗を正しく伝えられず、誤解を生む恐れがあるためです。
四半期会計期間の営業損益推移

営業利益の四半期推移です。第2四半期単体では、これまでの推移の中では前年同期比で若干プラスに転じています。
過去の傾向を見ると季節変動がより顕著ですが、特に新卒向けの「Goodfind」は、第3四半期・第4四半期のサービス提供が比較的少なくなるため、四半期の会計期間としては赤字になる傾向があります。
現在、この季節性を抑えるかたちで「Goodfind」単体での収益化に加え、中途領域やその他の隣接領域でも収益性を改善することで、会社全体としては四半期を通じて利益を生み出し続けられる体質への転換を進めています。実績を出せる段階へと向かっている最中です。
ただし、例年の進捗を踏まえると、第3四半期・第4四半期には構造的に赤字傾向が生じています。下期に向けてどれだけ黒字化できるか、あるいは赤字幅を縮小できるかという点で、現在、受注活動やサービス提供を進めている最中です。
四半期会計期間の売上高推移

売上高の推移です。第1四半期に売上高がかなり偏っていますが、これは新卒のみなさまが4月に入社する関係で、成功報酬の多くが入社日基準で計上される結果、4月を含む第1四半期に売上高が集中します。
一方、第2四半期から第4四半期は継続的に伸びるというよりも、その時々のお客さまのニーズや採用の動きに応じて、サービスを提供したタイミングで売上高が計上されます。そのため、各四半期で計上されるタイミングが前後し、数字の推移にボラティリティが生じています。
全体として、主力である学生向けサービスは堅調に拡大しています。一方で社会人向けサービスについては、「Goodfind Career」終了の影響をあらかじめ予想に織り込んでいたため、冒頭にお伝えしたマイナスの結果も計画どおりの着地となっています。
また、メディア・SaaS分野についても、「TeamUp」における不採算サービス停止の影響を織り込み、マイナスの結果となっています。
以上が、売上高の推移です。
四半期会計期間の販売費及び一般管理費推移

続いて、販売費および一般管理費の推移です。2023年2月期から2024年2月期にかけて現経営体制を引き継ぐ中で、まずは収益性の高い構造に変化し、高収益体質を確立する必要がありました。
そのため、増員を優先するのではなく、収益性の高いオペレーションや体制の確立を先行させました。人的資本を含めた新たな投資を通じて売上を伸ばすよりも、現体制やコスト構造を維持し、あるいはさらに効率化を進めることで収益性の高い利益体質を構築することをこの3年間、および当期も含めて推進しています。
四半期ごとのコストは大きな上振れや下振れがなく、おおむね同水準で横ばい推移しています。このコスト構造を維持しつつ、売上を伸ばしています。
収益性の高い状態を構築した上で、人員の拡大を図ります。一時的に既存の利益を毀損して規模を拡大するのではなく、筋肉質な利益構造を維持した状態での成長を目指しています。
財務規律KPI|1人当たり営業利益(LTM)の推移

続いて、こちらは新しいスライドです。「1人当たりの生産性」を示す指標としての「1人当たり営業利益」については、これまでどのように開示するかという課題がありました。経営としては、この指標の引き上げを重要な財務規律として重視しています。
ただし、利益には季節性があるため、1人当たり営業利益を単純な会計期間で算出すると、第1四半期がかなり大きな値になります。一方で通期でしか算出できない場合、進捗状況が見えづらくなる問題もあります。
この課題を解決するため、LTM(直近12ヶ月)の実績から算出した1人当たり営業利益を成長を見る指標として採用し、今回新たに開示しました。
過去の推移には変動がありますが、2024年2月期、2025年2月期のタイミングでは、1人当たり営業利益はおおむね100万円前後、123万円や106万円という水準でした。2025年2月期通期の123万円から現在は291万円まで成長し、約2.4倍の水準となっています。
先ほどお伝えしたコスト構造を維持しながら生産性を高め、収益性の高い体質にしていきます。当社では人的資本がコスト構造や付加価値の大きな部分を占めているため、その付加価値の最大化を追求しながら、今後は戦略的な人員増についても検討していきたいと考えています。
営業利益の増減や人員増加に伴い、一時的に1人当たり営業利益が低下する可能性もありますが、総合的には引き上げていく方向で考えています。現在は300万円弱の水準ですが、将来的には500万円、1,000万円へと引き上げていきたいと考えています。
当社では、一人ひとりの付加価値を継続的に高めることが、全体の収益性や成長に大きく寄与すると考えています。この数字の推移も継続してお伝えしていきますので、ぜひご覧いただければ幸いです。
財務規律KPI|営業利益率(LTM)の推移

営業利益率の推移です。季節性の関係から通期では安定しているものの、会計期間ごとに見ると第1四半期に上振れる傾向があります。これを正しく認識・共有するため、直近12ヶ月のLTMの数字を用いて推移を算出しました。
この方法により、季節性を一定程度平準化したかたちで当社のパフォーマンスをご確認いただけると考え、今回、新たにスライドを追加して開示しています。
もともと利益率は9.1パーセントからスタートし、ここがまさに大改革の始まりでした。2023年2月期以前は収益性や事業の状況が芳しくなく、減収減益となる中で全体の利益率も右肩下がりとなっていました。
ただし、2025年2月期第1四半期は、その手前に生じていた成功報酬による成果が現れ、一時的に少し改善しました。しかし、その後の2025年2月期第4四半期は再び9.2パーセントまで低下しました。その後、現在の第2四半期までに18.2パーセントまで引き上げることができています。
通期の利益率計画は、18.7パーセントと設定しています。第3四半期・第4四半期でさらに改善を図り、目標達成に向けて進めていきたいと考えています。最終的には、18.7パーセントを達成して締めくくることを目指しています。
これら2つの推移は、今後も四半期ごとに継続して開示します。内容の深掘りや状況説明の際に活用しますので、ご認識いただければ幸いです。
連結貸借対照表の状況

貸借対照表の状況です。自己資本比率は69.5パーセントとなり、引き続き借入もなく、高い水準を維持しています。当社の特徴である前受金は現在5億5,300万円、前期末比で5,900万円増加しています。こちらは「Goodfind」の事業構造にも関連するため、後ほど少し補足します。
四半期会計期間の前受金残高推移

「Goodfind」の成功報酬は、内定承諾のタイミングで代金をいただき、最終的に入社したタイミングで売上に計上される仕組みです。グラフ上にある第2四半期の2億1,000万円は、来年4月に入社する学生向け内定承諾の金額推移です。
こちらは、来期第1四半期の業績を決定づける重要な数字と言えます。2027年卒の内定承諾が増加していることは、来期第1四半期の売上が積み上がっていることを意味しており、引き続き堅調に推移しています。
次に、グラフの下部に3億4,000万円で示されている「契約サービスに関連する前受金」についてです。
基本的に「Goodfind」の新卒採用サービスでは、年間を通じてコンサルティングを含むサービス提供の契約を締結しています。サービスを開始するタイミングで契約を結ぶと、年間の新卒採用に関する発注額をいったん前受金としてお預かりするかたちとなります。
契約成立後、前受金として当社に帰属したこの金額は実際にサービスを提供する都度、売上へと振り替えられます。つまり、この前受金は将来の売上見込みに近い数値であるといえます。
成功報酬に関連する前受金は、来年の業績に影響する数値です。スライド右側の下部に記載した契約サービスに関連する前受金は、進行期および来期の売上高に積み上げられていきます。
どの時点で切り取るか、または契約のタイミングによって一定のボリュームの増減はありますが、継続的に積み上がっています。サービスを提供することで減少する要因はあるものの、全体として未来の売上や収益が前受金のかたちで積み上がっている状況です。
今回は、第2四半期のタイミングでコンサルティングの前受金が3億4,000万円積み上がっています。前年同期となる前第2四半期末は3億2,000万円だったことから、順調に契約が進んでいる状況です。
ここから第3四半期にかけては主に学生が動き出し、企業も選考や面接を進めながら内定承諾を生み出していく本選考期のサービスに関連する契約・受注が目下進行中です。その進捗に応じて下期の業績が寄与すれば、下期の計画・目標も達成可能ではないかと考えています。
以上が、前受金残高の推移についてのご説明です。
補足説明|業績の季節的変動について

補足にも記載のとおり、先ほどの説明をスライドで可視化しています。当社では成功報酬以外のコンサルティング、メディア、SaaSによる売上が年間を通じて発生し、長期インターンや中途採用における成功報酬も季節性がありません。
一方、新卒採用の成功報酬が第1四半期に計上されるため、こちらが最も季節性があるというご説明となっています。
補足説明|Goodfindにおける前受金の構造と収益計上までの流れ

こちらも、先ほどご説明した「Goodfind」における前受金と収益構造に関する内容です。スライドをご覧いただければ幸いです。
持続的な企業価値向上に向けた新経営フェーズへの移行

最後に、企業価値向上に向けてのご説明をします。最初の2枚は、第1四半期にもお示ししたスライドです。
当社は、上場前である2017年9月期からの数字の推移を開示しています。2021年2月期、2022年2月期、2023年2月期とトップラインは伸び、利益にはまだボラティリティがある状況でした。しかし、上場後は業績を思うように伸ばすことができず、2024年、2025年と連続で減収減益となりました。
2024年2月期にはサクセッション、すなわち経営の承継として現経営体制に移り、現在の社長と私(副社長)の体制へと移行しました。この期間を「大改革期」と位置づけ、まずは収益性を出す構造への変革に注力し、ようやく2026年2月期にその成果が少しずつ結実し始めています。
現状では、これで課題が完全に解消・改善されたわけではありませんが、さらに高収益な体質を目指し、安定的に拡大・成長していける土台作りに引き続き注力しています。
何はともあれ業績と可処分利益の向上に伴い、少しずつ成果が出てきています。株主のみなさまの声を踏まえ、資本効率や企業価値を向上させるため、資本コストや市場評価を意識した経営をさらに強化する必要があると考えています。強い課題感や危機感を持ちながら、現在から将来に向けて、これらの視点を取り入れた経営を進めていくつもりです。
その中で、4月の決算発表でも示した「循環経営」というコンセプトは、企業価値最大化を目指すものです。これは、個人の内発的動機と経済性を統合し、単に機能的に利益を出して一時的に終わるのではなく、スローガン自体が長期的にサステナブルな産業創造を続けることを目指しています。
また、時価総額を1,000億円、2,000億円、3,000億円と成長させていける会社になるための構造として定義した経営方針でもあります。
資本コストや株価を意識した経営に向けた各種施策‧取り組み

それを意識した施策・取り組みをまとめたものが、前回示したこちらのスライドです。ROE向上やPER改善に向け、テーマや具体的な取り組みを掲げていました。
この内容をさらに捉え直し、当社の循環経営や方向性にどのように結びつくのかについて、次以降のスライドでご説明します。
循環経営の因果構造|企業価値向上につなげる仕組み

こちらが、「循環経営」を企業価値向上にどのようにつなげていくかを整理したスライドです。
一番左側にセンターピン(中心)として置いているのは、人の内発的動機です。みなさまを含め、一人ひとりが「自分は何をやりたいか」「どうなっていきたいか」「何を願っているか」「このように生きていきたい」というものを強く持っています。
これを仕事とプライベートで分けるよりも、自分が将来やりたいこと、実現したいこと、なりたい姿を組織としてのスローガンやミッション、ビジョンと照らし合わせ、動機を強く重ね合わせます。
これにより、これまでの学びだけにとどまらず、さらに高い成果を上げ、社会に付加価値を提供できる存在へと学習変容を遂げていきます。この内発的動機があるからこそ、学習変容や学び直し、新しいものへの挑戦や取り組みが生まれ、それが高付加価値なオペレーションの源泉になるのではないかと考えています。
この高付加価値なオペレーションを磨き込むことで収益力が向上し、収益化へつながります。一人ひとりの動機がどのようなパフォーマンスとして現れるかを指標化すると、1人当たり営業利益が拡大し、利益率も向上します。
今回の資料では、このつながりを可視化する指標として、1人当たり営業利益を新たに開示しました。
こうして得られた収益を新たな再投資に回します。具体的には、新規参入や撤退・資源再配分を含むポートフォリオの最適化などです。この再投資が、未来を見据えた探索や新規の検討・取り組みの推進につながると考えています。
さらには人や組織、事業への再投資となり、企業の新しい取り組みや成長が個人の内発的動機をさらに強化する、あるいはその動機を固める対象を増やすことにつながります。
一人ひとりがさらに高い成長を遂げることで、高付加価値のオペレーションに再び還元され、収益化が進みます。この循環を、当社では「循環経営」の構造であると考えています。
当社にとって最も重要な資本は「人」だと考えています。一人ひとりが付加価値の高い成果を生み出し、収益化を図る中で、それを自己犠牲ではなく、生き生きと働きながら動機を傾けて取り組める環境を目指して進めるべきだと考えています。
このような収益化と稼ぐ力の向上によってROEが改善し、再投資による未来への可能性の向上がPERの向上につながり、最終的には企業価値の向上に結びつくのではないかと考えています。
当然ながら、一番難しいのは「内発的動機がどのように収益性や営業利益につながっているのですか?」「本当にそのようなつながりがあるのでしょうか?」という問いです。このような問いに答えるために、当社としても実証研究を始めようと取り組みに向けた議論を開始しています。
内発的動機の多寡やそれを持つ人の数、動機の深さと営業利益が相関すると信じ、その検証を目的に外部の研究者と連携しています。さらに、内発的動機を指数化することで、それを人が認識できるだけでなく、資本市場でも可視化できるようにする取り組みを始めています。
こちらも、当社の優位性の最も重要な源泉になると信じています。そのため、数値で示す取り組みを開始し、将来的には人的資本やサステナビリティの開示項目としてお示しできればと考えています。
次に、資本効率の中心指標として「1人当たり営業利益」を採用しています。今回、特に強調して開示した部分ですが、当社の資本の中心は人的資本です。人材に対する支出は、どうしても会計上P/Lの費用として計上される仕組みになっています。
この人的資本を単なるP/Lの費用として捉えるのではなく、B/S的に蓄積可能な資本として見直し、指数化しようとするのが「HPI(ヒューマンポテンシャルインデックス、人の可能性指数)」です。
また、季節変動を平準化した「1人当たり営業利益」も当社の経営や業績の進捗状況を把握するための前提となる数字であるため、こちらを開示しています。
高付加価値のオペレーションについては、社内においては市場シェアを指標として捉えています。ただし、市場シェアは対象市場の定義によって変動するものであり、定義次第で異なる結果となります。
社内では独自定義に基づく規律指標として用いていますが、外部の投資家のみなさまに信頼していただくための数字や指標とするには、そのまま使用するのではなく、なんらかのかたちで指数化して開示したいと考えています。こちらの外部指標については、現在検討中です。
以上が、当社の「循環経営」における因果構造と、企業価値向上につなげるための営みや仕組みのご説明です。
上期の実践|循環経営における「密度」を高めるフェーズ

次に、上期の実践についてです。先ほどの「循環経営」の構造を、上期にどのように実践してきたかについてご説明します。
引き続き、社長の仁平と私、北川が経営者として実践し、自らオペレーションに入り込みながら、高付加価値なオペレーションの作り込みや探索を続けています。
代表の仁平は、現在、「Goodfind」に隣接する領域である社会人向けキャリアサービス「G3」を主に担当しています。
「G3」は前期末に大きく成長し、現在はその成長を再現性のあるものにするとともに、内発的動機を利益につなげる取り組みを、経営者個人から組織全体へと展開する局面にあります。
上期においても、循環経営の実践者となる人材を「G3」に多く配置しました。「G3」は上期において前年同期水準で推移していますが、新たな実践者を加え、利益へと結実させられるよう、私たち自身も関与しながら時間を費やして実践を進めています。
私は管理会計の設計・運用において、社内の価値創造プロセスを定義しています。利益との関係性という観点から、どの工程でどのような利益が生まれ、そのプロセスにどのような人材やオペレーションが関わっているかを利益によって可視化する仕組みを、前期・前々期から継続して構築しているところです。
このような構築によって、まず、当社は1人当たり営業利益を指標として重視してきています。それが営業利益にどう結びつくかを利益を基軸として一貫して捉え、磨き続けられる管理会計の仕組みを作り上げています。
ただ、単に機能的に数字を整理・表示するだけでなく、一人ひとりの内発的動機や行動変容が利益にどう変換されるかについても同時に深掘りし、それらをつなげて見える化しています。
こちらは、代表の仁平が取り組む中途採用領域の「G3」に対しても、社内向けサービスの一環として管理会計の設計・運用を行っています。
さらには、事業として順調に推移している「Goodfind」をさらに高収益体質へと変えるために多くの時間を費やし、設計・構築・運用を進めている状況です。
収益化の観点では、大改革期を経て、1人当たりの生産性を着実に向上させてきました。再投資の観点では、営業利益の向上に向き合いながら、財務規律に基づいた整理や撤退の判断を行っています。
販管費の推移についてもお示ししましたが、まずは現体制での生産性を優先し、増員は先行させていません。販管費や人的資本投資がやや減少しているのは、生産性の優先を反映したものです。
経営が今議論していること|ミッションを起点とした「ありたい姿」の具体化

続いて、現在経営で議論している内容をご共有します。
4月に、スローガンである「ミッション」を再定義しました。このミッションを起点に「循環経営」をどのように磨き込み、展開・拡大していくのか、時間軸を含めた理想の姿やビジョンを財務目標とあわせて議論しています。毎月、私や社長、取締役会も含めて時間を活用し、どのような時間軸で何を実行するかを検討しています。
具体的には、長期的な産業創造を前提として10年程度先の到達像を設定し、その中間マイルストーンを節目とするかたちで、時間軸を設計しようと考えています。
その中で、ステートメントやコアターゲット、具体的には「誰の可能性を、どのように引き出すのか」「誰に何を提供するのか」を言語化しています。これは、市場の定義が形成され、その市場でどの程度のシェアを獲得できているかについて、内部で計算する基準にもなります。
また、財務目標を設定し、企業価値はもちろん、売上高、営業利益、利益率、1人当たり営業利益といった項目についても、財務規律に基づいた指標で定量化しています。定性的な目標だけでなく、財務目標もセットにするかたちで議論を進めています。
コアターゲットや「誰に、何を」という観点にも関連しますが、事業ポートフォリオの状況についても検討しています。現在の主力事業を深めて進化させる部分、それを基盤として隣接領域へ展開する部分、新たな領域に着手する部分においては、資源配分が必要です。人材のアサインや新たなリソースの投入も含めて、事業ポートフォリオを検討しています。
さらに、人材マネジメントの観点では、事業を担い、財務目標を達成していくリーダーをどのように育成・輩出し、評価・報酬をどのように設計するかも検討しています。
また、重要な点として資本政策もあります。当社は現在、潤沢なキャッシュを保有していますが、成長投資、人への投資、株主のみなさまへの還元における優先順位を示すキャピタルアロケーション方針を、時間軸を含めて策定していく予定です。
最終的には、これらの経営アジェンダや成し遂げたいビジョンに対して私や仁平がどのように時間を配分し、関与するべきかを模索しながら議論しています。現段階では検討中のため、具体的な数値目標等は取締役会で議論・決定した後に開示する予定です。
今後のスケジュールと投資家の皆様との対話

今後のスケジュールと投資家のみなさまとの対話についてです。
まず、今年4月に経営方針の策定とミッションの再定義を開示しました。5月には事業計画や成長可能性に関する開示で経営方針の詳細をご説明し、本日、本資料にてビジョンの検討状況をご説明しています。
2026年12月に第3四半期の決算発表が予定されており、そこでは中間の進捗や開示可能な検討状況をご報告する予定です。来期の4月と5月の通期決算などでは、先ほどお伝えした、どのような時間軸で自社が何をどのように目指すかを公表することを目指しています。
なお、これは現時点での想定スケジュールであり、内容が確定した事項については、このスケジュールを待たずに開示可能となった時点で速やかにお知らせする予定です。
下期の具体的な活動として、特にIRを含む取り組みでは、機関投資家やアナリストのみなさまとの個別面談を積極的に推進しています。昨日は、東証が主催する機関投資家を講師とした相談会にも参加しました。
機関投資家とのコミュニケーションについては、第2四半期時点で確定している投資家が3名、調整中が1名、計4件のIR面談を予定しています。このように、外部投資家の視点を積極的に経営に取り込んでいきます。
一方、当社は個人株主のみなさまが多いため、IR支援会社と連携し、多くの個人投資家のみなさまとの対話機会を新たに設けていきます。当社をどのように見ているか、どのような期待があるか、市場でどのように評価されているかを、データで把握しながら対話を進め、ビジョンの検討や経営の改善に反映したいと考えています。
また、決算説明会や質疑応答での情報発信は引き続き継続します。検討は少しずつ前進していますが、下期には新たな対話やフィードバックの機会を積極的に設け、情報発信の頻度を増やしながら進めていきます。
来年5月ですべてが完了するわけではありませんが、その時点で時間軸を盛り込んだ「ありたい姿」の公表を目指したいと考えています。
以上で、決算説明を終わります。ありがとうございました。
質疑応答:株主還元方針とコミュニケーションスケジュールについて

「結局、株主還元をする気はないのですか? 説明会のたびに検討、検討と言っていますが、ここまで来るとごまかしにしか思えません。いつまでに検討を終え、実際に開始するかを教えてください」というご質問です。
先ほどお伝えした、コミュニケーションのスケジュールに基づいて説明します。私たちの経営のケイパビリ